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臆病なあなたは、扉の前に座ってうずくまり、じっと息を潜めた。
こんな時は、臆病すぎるくらいがちょうどいい。
もし、あいつがこっちへ向かって来ても、この闇に紛れてやり過ごしてもらえるといいんだが…。
ザッザッザ…
何者かが歩く音がする。
『あいつかっ!?』
怖気付いて、完全に硬直してしまったあなた。
ザッザッザ…。
気のせいか、足音が大きくなってきたような気がする。
『ま…まさか!!こっちに来る!?』
あなたの心臓は、恐怖で破裂しそうなくらい高鳴っている。
足音は、微妙にだが、大きくなったり小さくなったりしている。
『俺を…嘲笑っているのか?隠れて震えている俺を…!』
じっとして恐怖に耐えるこの辛さ…。
このままじっとしてても何も変わらないだろう。
かといって、飛び出して行けばあなたは間違いなく…。
あなたはじっと待つ…。
ひたすらに待つ…。
聞こえない足音を聞こえると思い込み…
見えない恐怖に怯えながら…
あなたは待つ…。
ひたすらに待つ…。
DEAD END
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