終りの鐘。

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あなたはいいですね… キットその声を聞いた彼は、何もかも捨ててここへ来るはずですよ? あなたはいいですね… 僕は素直にその名前を呼べないから… どんなに欲しくても、どんなに求めても… 僕には素直にその名前は呼べない…… だって僕は嘘をついてるマンネだから… あなたみたいな綺麗な天使には勝てないんですよ… 「ヒョン?冗談ですよ?」 掴んだ手を離して頭をポンポンと撫でてあげる… 「怖がらせてごめんなさい?」 「ふぇ?」 「もぅすぐ恋人が飛んできますよ?」 「………?」 手に持っていた携帯をヒラヒラと見せれば、あっ!っと天使は顔を赤くして俯いた。 「……どうして?」 「…いい加減夜ユックリと寝たいんです。」 ニッコリと笑顔を贈れば照れたように、天使の笑顔も返ってくる… 「では、邪魔者は失礼しますね?せっかく僕が取り持ったんですから、素直になってくださいよ?」 天使をその場に残して、部屋を出た。
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