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その夜も、貴方はいつも通りに部屋に来た。 貴方の香りがいつの間にか、僕の部屋に染み付いて… この部屋の中では、2人きり… でも…… それ以上でも、それ以下でもない。 だだの2人きり… 背中から伝わるいつもと同じ寝息。 背中でしか感じられない、貴方の温もり… 僕には、遠すぎる温もり… どんなに貴方を抱き締めても、それはマンネとして… どんなに貴方に抱き締められても、それもマンネとして。 貴方からの甘い声も、甘い熱も… 感じることが出来るのは、素直な天使… 嘘をつき続けてきた、汚れた僕とは違う。 涙が溢れそうになったから、貴方の寝息をもう一度背中で確かめた…
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