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家に帰れば、早く行こうと急かす天使…
そんな僕らを見たくなかったのか、貴方はお風呂へと消えていった…
落ち着きのない天使を諭して、準備に部屋へと戻った。
忘れてはいけない大切な準備。
「それでは…行ってきます。」
玄関まで見送ってくれた夫婦に別れを告げて、最後のベルへと歩みを進めた…
「落ち着かないと転びますよ?」
どこいくの?どこいくの?と、雪の様にヒラヒラ舞う天使は、今の僕にはとても羨ましかった……
行き先をメモ書きの様に部屋に残してきたから、いつも僕の部屋に行く貴方の目には嫌でも入るでしょう?
行き先がホテルだなんて…不安で一杯でしょうね?
「ここですよ?」
暫く歩けば辿り着いた、仕事では何度も来たホテル。
行き先を告げずに連れてきた天使が通りすぎそうになったから、ユックリと指を指して教えた。
「なんでここ?」
不思議そうな顔をしながらも、ヒラヒラ舞う足取りはそのままに、短い階段を上っていく天使……
最後のベルへの階段のようで……
僕はユックリと…確かに踏みしめて上がった…
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