雪の様に。

3/7
前へ
/30ページ
次へ
廊下で泣いてる姿なんか人に見せてはいけない。 そのくらいの立場は弁えてる。 たまに凄く普通に憧れる… でももし普通だったなら、貴方に出逢えなかった。 こんなに悲しいのなら、そっちの方が幸せだったのかもしれないけれど… 涙を堪えて、ホテルを出れば、ちらつく雪。 上を見上げれば、柔らかい雪がフワフワと空から降ってくる… 貴方が途中転んでなければいいけど… 視線を戻して歩き始める。 キット… このまま行けば貴方に逢う… 天使のためにどんな顔して走ってくるのでしょう… 怒ってるかな…… 怒ってるよね…… 殴られたら……… 悲しいな……。 貴方を見つけるために、前を向いて歩いた。 貴方に最後の嘘を伝えなきゃ… そしたらもぅ、 オモニに言われた通り… 少しだけ我儘に素直に… 自分を出していこう。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

104人が本棚に入れています
本棚に追加