雪の様に。

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遠くの暗闇から、人が走ってくるのが解る。 段々と…ハッキリと浮かぶ。 僕の愛する人の姿。 貴方にこんなに愛されて…天使は幸福者ですね… 「どうしたんですか?そんなに慌てて…」 僕に気付いて近寄ってきた貴方に、声をかける。 泣いちゃ駄目だ… 息を切らしながら、僕を捉えた瞳は、今まで見たこともないくらい、鋭いものだった… 「あいつに何をした!」 やっぱり… 最初に口から出るのは、天使の事…ですね。 解っていても、ギュゥっと胸が苦しくなる。 泣いちゃ駄目だ… 「何かしたと思うなら、僕に喧嘩売る前に、ヒョンのところに行ったらどうですか?泣いてましたよ?」 本当に言いたかった言葉は違った……… 貴方を呼ぶためです… 僕もいい加減ユックリ寝たいから… と笑って言いたかったのに… そしたら最後に貴方の笑顔が見れたのに… 貴方を見ていると、涙が溢れそうになって… 貴方が天使のために来たんだと… 僕が仕向けたことなのに悲しくなって… 泣いちゃ駄目だ… でも…我慢できそうにない。
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