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たぶん、これからこの物語がたどる運命は、ものすごくシンプルだ。
それは、この世界が【暗黒】になるということだった。
【暗黒】とは、いわゆる暗黒時代の到来とか、お先真っ暗な話…ということではなく。
名実ともに、この世界を真っ黒にしてしまう、というべきか、物理的に真っ黒というべきか。
つまり、 黒をはじめ【色】にはその源となる【パステルオーブ】なるものが存在し、また、このオーブを守る精霊…【ガーディアン】が存在する。
赤には赤の、青には青の【パステルオーブ】が存在し、【ガーディアン】が存在する。
【ガーディアン】には人間的な感情は無いものの、個として意志があり、ひたすら【色】を厳護する責務をまっとうしていた。
【パステルワールド】という【色】のみが存在する世界で。
しかし、あるとき。
なにかのきっかけで、もしくは間違いで、いわゆる運命のイタズラ的な理由で。
【黒】の【パステルオーブ】を守護する【ガーディアン】が「この世界に存在するあらゆる【色】を、俺色に染めたい」と思ってしまったようなのだ。
【黒】が俺色と言ってるんだから、【黒】に染めたいのであろう。
これで、冒頭に話が繋がる。
だから、これからこの物語がたどる運命は、ものすごくシンプルなのだ。
それは、この世界が【暗黒】になるということ。
ところが、そうはさせまいと、立ち上がる少女たちがいた。
彼女たちは世界が物理的に暗黒になるのを阻止するため、学校が終わったあとの習い事や、部活動、または宿題、家事手伝いの合間をぬって、【黒】になりたくない他の色の【ガーディアン】とともに力を合わせて、戦うのだ。
【色】が持つ力なのか、それとも彼女たちの思いが【色】となって強くなるか。
ともかく、彼女らは、時には世界の危機と天秤にかけてしまうくらい、友達で悩んだりしては、戦っている。
世界平和と同じくらい、宿題だってやらなきゃいけないときもある。
何度もいうが、この物語がたどる運命は、ものすごくシンプルなはずだったのだ。
しかし、この少女たちのせいで、そうも行かなくなってしまった。
この物語は、世界を名実ともに【暗黒】にさせまいという、
小さな娘たちの、大いなる物語である。
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