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「うひー! こりゃ遅刻ね! ストーリー的にはこうだわ!
ホームルーム中に教室へ、こっそりと潜り込む瀬々良木(せせらぎ)。
しかし、まんまと担任に見つかってしまう。
『こらー瀬々良木~! おまえはまた遅刻か~! 廊下へたっとれ~!』
うわ、ベタすぎるわね。展開的に! うへへへへへ」
気持ちの悪い女子中学生だった。
彼女を見送ったちえりも、つられて走りだした。
そして、普段は通学路で使わない小道に入った。この道を使ったほうが近道だからだ。
街灯がないので、夜は通るなと大人たちが口うるさい塀と塀に挟まれたような、薄暗い小道だった。
しかし、この道こそが彼女やこれから出会うであろう仲間の運命を決める分かれ道だったのかもしれない。
いきなり、ちえりの目の前にドスン!と何かが空から落ちてきた。
「わっ!」
それは全身真っ白の、丸っこいぬいぐるみのようだった。
大きさはちえりの頭くらいしかない。
片耳は大きく、クマのようなイヌのような形態のぬいぐるみだが、落ちたときの音からすると、多少重みがあるようだった。
「いででで!…あ、見つけますた!」
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