+序+

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目を覚ますと自分の部屋であれが夢なんだと自覚する。 その夢は日を重ねるごとに頻度を増し、女性の声は鮮明になってきていた。 毎日夢を見るころには、やはり彼女は助けを求めているのがわかるほどに。 私は聞こえないふりを続けていたんだけれど、ある日、声を……掛けてみた。 「あなたは……誰?なぜ助けを?」 「! 私の声が聞こえるのかい?」 姿の見えない女性の声は、少し驚いたように間を空けて、そして慎重に私に尋ねた。 聞いているのは私なんだけど……。 .
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