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「……どういうことですか?」
「よく我慢できるなっつー事だよ。俺みてえな醜い男にそんな事言えるなんざ、お前頭おかしいんじゃねえの」
「……………はい?」
この際、頭おかしいんじゃねえの発言は大目に――見ないが、まあ、スルーしてあげよう。
誰が、醜いだって?
「え、ちょ、ま、醜い?」
「なんだよ」
「醜いって――貴方が?」
「他に誰がいるんだよ」
「わたし?」
「は?」
「だ、だって、レオルカさんに比べたらわたしなんて目も当てられませんよ」
あ、自分で言ってて悲しい。
「……世辞なんかいらねえ」
「お世辞じゃなくてですね。そう言えば、ちょっと前にもそう言ってましたけど、レオルカさん鏡で自分の顔見たことあります?」
「……ねえよ。吸血鬼は鏡にゃ映らねえ。でも、自分の顔くらい知ってらァ」
「知って尚の発言ですか……!」
「何だよ、さっきから。何が言いてえんだ。嫌味か」
「……わたしからしたら、レオルカさんの方が嫌味です」
「ああ?」
「あのですね、レオルカさん」
訝しげなレオルカさんの目をまっすぐ見て、つくづくケチのつけようがない美人さんだと痛感。
「貴方、おっそろしいほど美人ですよ」
「……、は!?正気かお前、信じらんねえ!」
「正気も何も、こう感じるのはわたしだけじゃないですよ。絶対に百人が百人認める美人です」
「な、ちょ、」
「綺麗ですよ、レオルカさんは」
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