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今日は、年に一回の老人会の集まりとか言って雅也さんは不在。
そして、現在家には俺と祐と秀一と祐介が居た。
雅也さんは、守護者に成り立てでも三人も居れば敵は迂闊に来ない。
家事全般も一人暮らしが長い秀一と祐介が居れば安心。
しかし、雅也さんの心配はそれだけではなかった。
そう……雅也さんが心配してるのは、俺だった。
「うわっ、ケーキだ!!」
無邪気に喜ぶ俺…雪村湊。
それに癒される三人の野郎共。
秀一がケーキ屋でバイトを始めたから、残り物のケーキを昨日持って帰ってきた。
そして今日、ケーキを食べる事になった。
ケーキに合う紅茶を祐介が淹れてくれた。
「モグモグ♪」
「湊、顔に生クリーム付いてる」
「むぐっ?」
秀一は、俺の顎を上に上げて口元を舐めた。
俺は、驚いて後ずざる。
その虫みたいな奇妙な動きを見て可笑しそうに秀一は笑った。
「いっ、いきなり何すんだよ!!」
「湊……」
顔っ、近い近い近い~~~~~!!!!
俺は反射的に目を瞑る。
「「おい」」
すると、物凄く恐ろしい声が聞こえた。
いつもは聞いた事のない怖すぎる二人の声……。
すると、祐介が俺に向かって微笑んだ。
「湊ちゃん、そこの"変態"から離れようね♪」
「………祐介」
秀一は呆れた顔をしていたが俺は、いつもの祐介キャラじゃない事に真面目にビビってた。
怖い……祐介大魔神だ…。
これは、何か話題を変えなきゃ…。
「あっ!!雨降ってるな!!」
「「「雨?」」」
三人は、縁側の方向を見ると確かに雨の音と風に揺れる木が見える。
「「「………で?」」」
ううぅ……苦しい言い訳でしたよ!!俺が悪かったですよ!!ゴメンゴメン!!(反省全くなし)
俺は、家の空気が重くなったから家を飛び出した。
他の三人は、唖然と見ていた。
―☆―
「……傘、忘れた」
飛び出したからな……何も考えないで、バカだな俺。
森の木を傘代わりにしていた(傘代わりにならず、ずぶ濡れ)
「……っくしゅ」
ヤバい、本格的に風邪引いたら雅也さん心配するよな。
もう、家に帰ろうかな(家を飛び出した意味がない)
「湊ちゃん!!」
おっ……この呼び方は……。
「祐…介?」
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