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中国の国主 毛利元就は先程から雨空を睨んでいた
「(何故、このようなことに…)」
「やっぱり、迷惑?」
「わかっておるなら口を開くでない」
「わかってたけど…やっぱり言葉が痛い!!」
海が荒れているにも関わらずいつものように四国の国主―長曽我部元親は同盟申請の為に来た
案の定、海は大荒れになり帰ることが不可能になり、放り出す訳にもいかず大変不本意ながら宿泊を認めた
「ああ、今すぐ荒れ狂う海に捨てたい……」
「でも、実行しないってことは多少は好意を……」
「貴様が国主であるが故よ。中国を攻める理由を与えてたまるか」
「…ですよね~…(泣)」
元就は日輪を拝めていない為にかなり不機嫌
さらに、元親の存在がなお一層元就の神経を逆撫でていた
駒と呼ばれている家臣達も元就をこれ以上苛立たせないように気を張っている
「兎に角、海が凪になり次第帰れ。よいな?」
「何処か行くのか?」
「我の勝手であろう。…ついてくるでないぞ」
元就は二、三人を殺せそう…否殺ってきたような瞳で元親を睨みながら告げると部屋を出て行った
元親はしばらく考えていたが、立ち上がり廊下を見回し元就の姿がないことを確認する
やはり、好奇心には勝てずに部屋を後にしたのだった
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