1章 ~君に出会った~

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「えぇっと…A組か」 美咲はクラスを確認すると靴を下駄箱にいれ、真新しい上靴にはきかえる。 「えっと、たしか職員室はあっちだったよね」 職員室に向かって歩き始める。 ―――――――………… コンコンッ 「失礼します」 ドアをがらりと開ける。 「おはようございます。今日からよろしくお願いします、あの、新入生挨拶の最終確認をお願いしたいのですが」 「あぁ高橋、おはよう、どれだ?」 一人の教師に言われ、鞄の中からごそごそと紙を出し、教師に渡す。 その教師は受けとると、一通り目を通す。 「いいんじゃないか?特に直すとこないぞ」 「ありがとうございます、えっと…」 「あぁ、まだ名前いってなかったな、国語科の市井 隼人だ、主に古典が担当だ」 「市井先生、ありがとうございました」 お礼をいいながら、紙を受けとる。 「いや、そうそう、ついでにお前の担任だ」 「そうなんですか、これから一年間よろしくお願いします、それではそろそろ失礼します」 美咲はちらっと時計を見て、教室に向かうことを告げる。 「時間だしな」 市井先生に見送られながら職員室をあとにする。
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