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『君なら…無事に育てられるだろう。高継と紀乃を頼んだよ』
そんな妻が逝ってから…俺は二人の子供を育ててるんだけどよ…
子育てって戦より辛い…
「ですから…僕は悪くありません。紀乃が突然泣いたことまで僕のせいにされるのは心外です」
息子って…こんなに冷ややかなものなのか!?
本当に俺と吉継の子供なのか!?
つうか本当に五歳か!?
「じゃあ…紀乃ちゃん。何で泣いてるんだ?」
「…だって…っ…にいさまが…っ…あそんで…くれない…から…っ」
…それだけ?
他に何かあるんじゃないのか?
例えば…高継に意地悪されたとか…
いや…うちの息子はそんなことしねぇけど…
「…やはり僕のせいじゃないでしょう。僕は本を読んでいただけですし」
「…いや、たまには遊んでやれよ。高継。…じゃあ…紀乃。俺が後で遊んでやるからな。今は待っててくれ。仕事終わってから遊ぶから…な?」
「…うん…わかった…。きの…まってる」
やっぱり娘っていいよな
あの素直さとか…
泣き顔も吉継そっくりで…すげえ可愛い…
「…変態発言はやめて下さい。父上。それより…紀乃がいませんけど」
「…は?…いねえって…どういうことだ!?」
「父上来てから…すぐに退屈になったようで…部屋から出ていってましたが?…会いませんでしたか?」
「会ってねぇよ!紀乃が行けるとこなんてほとんどねぇし…!」
紀乃に何かあったら…
早く探さねぇと…!
「…ただいまです!とうさま!」
「…紀乃…?いったい…何処に行ってたんだ?」
「おそと!あのね、かあさまのおともだちのきれいなひとと、おそといってました!」
「…吉継の…友人?誰か来てんのか?」
「…んと…みつなりさんっていうひと!」
…まさか…
石田…三成…?
マジかよ…
「でも、もうかえっちゃいました。またくるんだっていってました!」
…どうやら俺の周辺では…何かが起ころうとしているらしい
石田ともまた会うんだろうが…
それはまだ知らぬ…未来の話
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