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―――現在―――
「「「これが寮ぉー!?」」」
現実逃避を終え、俺・咲矢・望が一斉に叫ぶ。
「ええ。これから三年間、君達が暮らすお家よ。改めまして、ようこそ冥京高校第七寮へ。」
流依さんがニッコリと微笑む。
流依さん・・・。そんな笑顔を突き付けられたら、何も言えなくなるじゃないですか・・・ッ!
「ちちちょっと待ってください!寮って・・・、ここここれってどうみても廃校舎・・・ですよね?」
咲矢が震えた声で言う。
こいつは怖い物が大の苦手だからな・・・。
「そうなの。実は第七寮は、冥京高校の旧校舎を寮の代わりとして使ってるの。」
・・・なるほど。家賃がタダになるわけだ。
本来なら取り壊されるはずだった校舎だもんな。
そのまま利用して、寮を一つ建てる費用を浮かせてしまえ・・・って感じか。
にしても、普通整備くらいしに来ないか?人が住んでる割に、随分長いこと放置されてるようだが・・・。
「そんなことより!こんなとこにちゃんとした食べ物なんてあるのー!?お腹空いて動けないよぉー!」
望が暴れている。
こんな状況でよく何か食う気になるな・・・。まあいつものことだが。
「そうね、もうお昼だし、昼食にしましょうか。中の食堂に行きましょう。すぐ用意するから。」
「えぇっ!は、入るの!?怖いよぉ・・・。」
「あら、じゃあ咲矢はここで待っとく?あたしは行くわよ。そこに食べ物があるのなら!」
「あ、のぞちゃん!行っちゃった・・・。ど、どうしようはるく・・・、あれ、はるくん!?」
「何やってんだ。本当に置いてくぞ。」
「うわぁーん!待ってよみんなー!」
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