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寮の正門をくぐると、大きな庭がある。
生えている植物はどれも見たことのないものばかりで、中には動いているものもある。食虫植物ってやつだろうか・・・?
「ここが下駄箱よ。一番右端が一年生用ね。」
流依さんに案内されて、俺達は建物内に入った。
「ほぁー。本当に学校だぁー・・・。」
望が感心したようにつぶやく。
旧校舎といえど、設備はしっかりしているようだ。
しかしさっきの正門といいこの下駄箱といい、どうも違和感が残る。
使っているのは寮生だけなのに、もっとたくさんの人が使っているような・・・。
「・・・ん?」
その時、二年生用の下駄箱の一番右下に、小さなローファーが入っているのが見えた。
「流依さん、この靴って誰か先輩のですか?随分小さいですね。」
「あぁ、それは千沙ちゃんのね。先輩・・・。そうね、この寮では先輩ってことになるかしら?」
「あー!食堂ってあれー?」
食べ物の匂いでもしたのか、望がはしゃいで走って行く。どこにそんな元気があったんだ。
しかし・・・。あの靴、いくら女の人のものとはいえ、高校生のにしては小さ過ぎないか・・・?
「はるくんどうしたの?もうのぞちゃん達行っちゃったよ?」
見ると、望と流依さんは既に食堂にいて、俺達を呼んでいる。
(まぁあのくらいが女の人には普通なのかな?)
あまり気にしないことにして、俺はみんなの元へ急いだ。
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