1限目:おばけ の おうち

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寮の正門をくぐると、大きな庭がある。 生えている植物はどれも見たことのないものばかりで、中には動いているものもある。食虫植物ってやつだろうか・・・? 「ここが下駄箱よ。一番右端が一年生用ね。」 流依さんに案内されて、俺達は建物内に入った。 「ほぁー。本当に学校だぁー・・・。」 望が感心したようにつぶやく。 旧校舎といえど、設備はしっかりしているようだ。 しかしさっきの正門といいこの下駄箱といい、どうも違和感が残る。 使っているのは寮生だけなのに、もっとたくさんの人が使っているような・・・。 「・・・ん?」 その時、二年生用の下駄箱の一番右下に、小さなローファーが入っているのが見えた。 「流依さん、この靴って誰か先輩のですか?随分小さいですね。」 「あぁ、それは千沙ちゃんのね。先輩・・・。そうね、この寮では先輩ってことになるかしら?」 「あー!食堂ってあれー?」 食べ物の匂いでもしたのか、望がはしゃいで走って行く。どこにそんな元気があったんだ。 しかし・・・。あの靴、いくら女の人のものとはいえ、高校生のにしては小さ過ぎないか・・・? 「はるくんどうしたの?もうのぞちゃん達行っちゃったよ?」 見ると、望と流依さんは既に食堂にいて、俺達を呼んでいる。 (まぁあのくらいが女の人には普通なのかな?) あまり気にしないことにして、俺はみんなの元へ急いだ。
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