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「いやー、お腹いっっっぱい!満足満足!」
「のぞちゃん、一体何回おかわりしたの?」
「そんなにしてないよー。六回くらいしか。」
「白米六杯食った上で俺のポテトサラダを略奪したのか!?」
「違うよ。晴彦のポテトサラダを食べたときは、まだ五杯目だったよ。」
「そこで『あぁそうか、なら仕方ない・・・』ってなると思ってんのか。」
「あ、あはは・・・、あれ?」
「咲矢、どしたの?」
「いや、あれ・・・。」
咲矢が指差す方を見ると、そこは食堂から二階へ続く階段だった。
「階段がどうかしたのか?」
「あれ見てよ。あの踊り場のとこ・・・。」
咲矢の言うように踊り場を見ると、そこには、下駄箱で見たあの小さなローファーがあった。
「ん?あれはさっきの・・・。」
「な、なんであんなところにあるんだろ・・・?」
「持ち主の人が履いてきたんじゃないの?」
「そんなバカな。見た限りあの階段にはこの食堂を通るか、二階から回って行くしかないっぽいし、人が通ってたらさすがに気付くだろ」
「だ、だよね。それに、あんなところに靴を脱いでくのもおかしいもんね・・・。」
確かに。外につながっているわけでもない踊り場に靴が置いてあるのは、明らかにおかしい。
「もももしかして、お・・・、お化け・・・?」
「はは!何言ってんだ咲矢。お化けなんているわけないだろ?」
「だ、だって・・・。」
「おおかた、たまたま同じサイズの靴を履いてた先輩が、急いで走ってたら脱げちゃったー、とかそんなだろ。」
「あんなちっちゃいローファー履いてる子、あたし見たことないけどなぁ・・・?」
「うーん。じゃ、もっかい下駄箱に戻って、さっきの靴があるか確認してみたらいいんじゃないか?」
「も、もし無かったら・・・?」
「無いわけないって。ほら、行くぞ。」
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