1限目:おばけ の おうち

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「いやー、お腹いっっっぱい!満足満足!」 「のぞちゃん、一体何回おかわりしたの?」 「そんなにしてないよー。六回くらいしか。」 「白米六杯食った上で俺のポテトサラダを略奪したのか!?」 「違うよ。晴彦のポテトサラダを食べたときは、まだ五杯目だったよ。」 「そこで『あぁそうか、なら仕方ない・・・』ってなると思ってんのか。」 「あ、あはは・・・、あれ?」 「咲矢、どしたの?」 「いや、あれ・・・。」 咲矢が指差す方を見ると、そこは食堂から二階へ続く階段だった。 「階段がどうかしたのか?」 「あれ見てよ。あの踊り場のとこ・・・。」 咲矢の言うように踊り場を見ると、そこには、下駄箱で見たあの小さなローファーがあった。 「ん?あれはさっきの・・・。」 「な、なんであんなところにあるんだろ・・・?」 「持ち主の人が履いてきたんじゃないの?」 「そんなバカな。見た限りあの階段にはこの食堂を通るか、二階から回って行くしかないっぽいし、人が通ってたらさすがに気付くだろ」 「だ、だよね。それに、あんなところに靴を脱いでくのもおかしいもんね・・・。」 確かに。外につながっているわけでもない踊り場に靴が置いてあるのは、明らかにおかしい。 「もももしかして、お・・・、お化け・・・?」 「はは!何言ってんだ咲矢。お化けなんているわけないだろ?」 「だ、だって・・・。」 「おおかた、たまたま同じサイズの靴を履いてた先輩が、急いで走ってたら脱げちゃったー、とかそんなだろ。」 「あんなちっちゃいローファー履いてる子、あたし見たことないけどなぁ・・・?」 「うーん。じゃ、もっかい下駄箱に戻って、さっきの靴があるか確認してみたらいいんじゃないか?」 「も、もし無かったら・・・?」 「無いわけないって。ほら、行くぞ。」
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