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―――数分後―――
「流依さん、説明してください・・・。」
俺達は、食堂に集まって緊急会議を開いていた。
今この場には、俺・咲矢・望・流依さん、そして、あの「千沙」と呼ばれた少女がいる。
「説明が遅れちゃって、ごめんね。実は、その・・・。」
流依さんが気まずそうに言う。
「この第七寮には・・・、その・・・、ゆ、幽霊さんも、一緒に住んでるの。」
まさかと思ったが、やっぱりか・・・。
「ゆ、幽霊って・・・!そ、そんな話信じられませんよ!」
「咲矢、お前も見ただろ?あのローファー、もとい千沙って子は、完全に閉めきったドアをすり抜けたんだ。俺だって信じたくないが、幽霊か幻覚、あるいはプラズマか何かってことじゃないと、説明がつかない。」
「そ、そんな・・・。」
「隠すつもりはなかったの!ただ、言い出すタイミングがつかめなくて・・・。」
流依さんは泣きそうな声で言った。
「幽霊が出る、なんて言ったら、みんな怖がっちゃうだろうと思って・・・。でも、幽霊っていうのは怖い人ばかりじゃないの!千沙ちゃんだって、本当は多分、君達とお友達になりたかっただけで・・・。」
流依さんが一生懸命説明する。友達になりたかった・・・、か。確かに千沙って子は、俺達に危害は加えなかったし、ただ追い掛けてきただけだ。
それで俺達が勝手に怖がって、一方的に逃げちゃったんだよな・・・。
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