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流依さんの話に、咲矢と望も納得しているようだった。
でも、一つひっかかるのが・・・
「幽霊ってのは、自分で姿を消したり、現したりできるものなんですか?」
「あ、うん。そうみたい。」
「・・・ならなんで、最初から姿を現さずに、靴だけ見えるようになんてしたんだ?」
俺は千沙って子に聞いた。
最初から姿が見えていれば、俺達も幽霊だとは気付かず、普通に接しただろうのに・・・。
「・・・。」
千沙って子はうつむいたまま口を開かない。
ちなみにこの子は見た目推定小学校低学年くらい。長い髪をツインテールにしている。服は冥京高校の女生徒の制服を着ているが、サイズが合わず、ダボダボだ。
「黙ってちゃわかんないだろ?」
「・・・。」
「どうしたもんかね・・・」
「多分、はるくんの聞き方が怖いんじゃないかな?」
「なにぃ?この人類でも一、二を争う優しさを誇る俺が怖いだと?」
「僕が聞いてみるよ。子供の扱いは、慣れてる方だし・・・。」
子供みたいな奴が何を言う。
「はじめまして、千沙ちゃん。僕、杉内 咲矢って言います。よろしくね。」
「・・・。」
相手が友好的だと知って安心したのか、もうあまり怖がらなくなった咲矢が微笑みかける。
「千沙ちゃん、なんで姿を隠したりなんかしたの?」
「・・・。」
「姿を見せてくれれば、僕達だって怖がらずに接してあげれたのに・・・。」
「・・・。」
「・・・、ねぇ、千沙ちゃ・・・」
「子供みてぇな顔面しといて、ウチを子供扱いしてんじゃねぇぞガキ。」
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