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「あっ!咲矢!晴彦ぉー!」
望は俺達に気付き、ぶんぶん手を振ってきた。
周りには、声が聞こえたのだろう、既に人だかりができていた。
みんな、望が手を振る矛先である俺達に注目している。
「のぞちゃぁーん!」
咲矢が負けじと手を振り返す。
なんて恥ずかしい集団なんだ・・・。
俺は顔を真っ赤にしながら望のもとに駆け寄った。
「よかったー。お店追い出された後、気付いたら咲矢いないんだもん。あたし学校までの行き方わかんないし、どうしようかと思ったよ。」
「のぞちゃんごめんね。僕が置き去りにしちゃったばっかりに・・・。」
「本当だよまったく!罰として今度焼肉ごちそうしてよね。」
「えぇっ・・・!」
二人の声が無駄に大きいからか、さっきから野次馬が増えてきている。
一刻も早く戻らねば。このままじゃ恥ずかしさで死にそうだ。
「そ、そうだお前ら!早く戻らないと『あのこと』についての説明始まるぞ!」
「あー、そうだった!急がなきゃ!咲矢、焼肉忘れないでよね!」
「ち、ちょっと待ってよ二人ともぉー!」
俺達三人は人だかりを抜け出し、体育館へと戻った。
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