1限目:おばけ の おうち

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「あっ!咲矢!晴彦ぉー!」 望は俺達に気付き、ぶんぶん手を振ってきた。 周りには、声が聞こえたのだろう、既に人だかりができていた。 みんな、望が手を振る矛先である俺達に注目している。 「のぞちゃぁーん!」 咲矢が負けじと手を振り返す。 なんて恥ずかしい集団なんだ・・・。 俺は顔を真っ赤にしながら望のもとに駆け寄った。 「よかったー。お店追い出された後、気付いたら咲矢いないんだもん。あたし学校までの行き方わかんないし、どうしようかと思ったよ。」 「のぞちゃんごめんね。僕が置き去りにしちゃったばっかりに・・・。」 「本当だよまったく!罰として今度焼肉ごちそうしてよね。」 「えぇっ・・・!」 二人の声が無駄に大きいからか、さっきから野次馬が増えてきている。 一刻も早く戻らねば。このままじゃ恥ずかしさで死にそうだ。 「そ、そうだお前ら!早く戻らないと『あのこと』についての説明始まるぞ!」 「あー、そうだった!急がなきゃ!咲矢、焼肉忘れないでよね!」 「ち、ちょっと待ってよ二人ともぉー!」 俺達三人は人だかりを抜け出し、体育館へと戻った。
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