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「それで流依さん、なんでここには他の保護者の人がいないんですか?」
咲矢が聞いた。
確かに、この部屋には俺達三人と寮長である流依さんしかおらず、他の説明会参加者が見当たらない。どうりで静かなわけだ。
「うん。実はね、この冥京第七寮には、『第七寮でなければならないよっぽどの理由』と『寮長の推薦』がある人しか入れなくて、今年の寮生は君達三人とあと二人だけなの。残りの二人は、ご都合により今日は来れないんだけど・・・。」
そうだったのか。まあ、そうでもしないと家賃・学費タダなんて寮、みんな入りたがるよな・・・。
生きる為・・・、うん、これなら十分「よっぽどの理由」になるだろう。
「それでそれで!『訳あり』ってどういうことなんですか?」
望が身を乗り出す。
「あ、えっと・・・。そ、その説明は実際に寮を見ればわかると思うから、早速行ってみましょうか。」
「「「はーい!」」」
というわけで、流依さん案内の元、俺達は一度寮を見に行くことになった。
実は内心、少しわくわくしている。
今までずっとダンボール暮らしだったから、まともな家に住めるなんて楽しみだ。
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