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「そろそろ着くわよ・・・ってどうしたの三人とも?」
「「「ゼェ、ゼェ・・・。」」」
学校の裏山は、本当に「山」だった。
まさか登山をすることになるとは・・・。
「る、流依さん・・・、ま、毎日、この山通って、登下校してる、んですか・・・?」
「ううん。寮生には専用のロープウェイがあって、普段はそっちを使ってるの。晴彦くん達はまだ寮生じゃないから使えないんだけど・・・。」
そういうことか。
しかし流依さんはなんでこんなに平然としていられるんだ。どこにそんな体力が・・・。
「そういえば、咲矢と望は・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「すてーき・・・き、きんぴらごぼう・・・、うなじゅう・・・」
だめだ。咲矢は完全にグロッキーだし、望に至っては一人食べ物しりとりをし始めた。
「あともう少しだから、頑張って!」
流依さんが声をかけてくれる。なんて優しいんだ、その声援だけで三時間は動けます。
「ほら、起きろ二人とも。」
「う、う、うなじゅう・・・、う、うなじゅう・・・、また『う』なのぉ?」
・・・これは早くしないと望がいよいよ危険だな。
二人に肩を貸して再び歩きだす。
しかしこんな山奥に・・・、一体どんな寮なんだ・・・?
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