序章

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嘉永六年 六月 長くに渡って鎖国を続けてきた日本は、 ペリー率いる黒船艦隊の来航によって、開国か戦争かと言う苦渋の選択を迫られる。 時の大老、井伊直弼は開国を決断。 朝廷に無断で「日米修交通商条約」を締結した。 その事に反発したのが、 朝廷を重んじ、西洋諸国の蹂躙から国を守ろうと考える尊攘論者達である。 井伊直弼は、吉田松陰をはじめ多くの尊攘論者達を処罰することで、幕府の威信を保とうとした。 しかし 「安政の大獄」と呼ばれるこの政治的弾圧は代えって幕府の不信感を強めてしまう。 満永元年 三月 幕府に対する不安は暗殺と言う形で噴出する。 水戸浪士を中心とした暗殺団が結成され 途上途中の井伊直弼を襲撃した… その乱戦の最中、遅れて駆け付ける一人の若者の姿があった… 若輩ゆえに、一団から外されたものの、どうしても同士と共に戦いたいという気持ちを押さえることが出来なかったのだ… 今まさに、この若者は激しい時代の流れに飛び込もうとしていた…
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