手活けの花

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女は今日も男を待ってる。 男は来てもそう大したことは言わない。 部屋に来る時は必ず茶色のセカンドバッグを片手に抱えている。 「おい、これ」 男の土産はその時々で違った。 有名なパティスリーのケーキだったり、寿司屋の折り詰めだったり。 ある時は街のデパートで買って来た菓子であったり。 必ず食べ物ではあったけど。 女の店にはたまにしか来ない。 店は男が金を出してくれたのだが、男はそう長居することもない。 店の小女と軽口を叩いて帰るだけだ。 そして必ずマンションに来た時に言うのだった。 「おい、もうちょっとマシな女を置けよ、あれじゃおまえ、客も口説きゃしねーよ」 そう言いながらセカセカと女の服を脱がす。 女は薄らと笑うだけだ。 男に口答えはしない。
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