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女が店を出すことを決めた時男は言った。
「おまえももうそれほど若くはないし、でもママと言うほど円熟していない」
考えた結果、ショットバーはどうだろうか、と男が言った。
ショットバーなら、客とそう話すこともないし、バーテンは男だし…それに…
男は何かを考え込み言った。
「変な男に引っ掛かることもない」
女は元町のラウンジのあの女を思い出す。
あの女は変な男に引っ掛かってもいいと思われたのだろうか。
自分は愛されてるのだ、そう納得し、女はショットバーの計画を男とたてる。
元町からそう遠くない場所に店を構えた。
音楽は男の好きなジャズだった。
女はここの経営者であるだけで良い。
店に行き、レジの前に座る。
そして会計する。
それだけが女の仕事だ。
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