プロローグ

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小学6年の春、小学校入学した妹が初めて友達を連れてきた。 可愛らしくポワポワした雰囲気の子だった。 「えっとぉ、この人は私のお兄ちゃんで涼兄って名前」 妹が俺の紹介をするので、こんにちは、と軽く会釈をした。 「あっ、はじめまして龍野詩歌です」 おどおどしているが小学1年ながら、ちゃんと挨拶ができるあたり、しっかりした子だと感心した。 すると妹が俺の袖をひっぱった。 「涼兄も一緒に遊ぼうよぉ、いいよね?しぃちゃん?」 正直年下と遊ぶなんて面倒くさかったが。 「一緒に遊んでくださいっお兄ちゃん」 女の子が満面の笑みで頼んでいるのをスルーできるスキルは持ち合わせていなかった。 「よーし!なにして遊ぼうか」 これ以来中学卒業までウチに遊びに来ていた詩歌ちゃんと会うことが多くなった。
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