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月を見上げた
視界の端をひらひらと淡い色が過ぎ去った
優しい色
淡い色
温かく 悲しい
ひらひらと舞いおちる
ひらひらと舞いおりる
まるで泣いているようだ
月に淡い色はおぼろげで
夜に淡い色は悲しげで
だから美しいのだと知った
だから儚いのだと知った
月が淡い色を見守る
夜が淡い色を見守る
ひらひらと舞いおちる
ひらひらと舞いおりる
淡い色を
その瞬間を
この世界は永遠に記憶する――
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