Sleeping Wanderland.

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茨の森の奥深くにある硝子のお城にて 「茨はいずれ貴方を殺すでしょう」 囁くのは黒の女王 「茨はいずれ貴方を導くでしょう」 囁くのは白の女王 眠る姫は何を想い眠り続けるのか 答えは全て夢の中 罪の糸車を廻し輪廻を紡ぎ続ける王の祈り 茨の森で王子は道を探し彷徨う茨の森の先には薔薇庭園 庭園で歌う魔女は全てを狂わす時計の針 歪むお城の歪な物語は続く 王子は見つめる硝子のお城 導いたのは可笑しな茨 庭園の魔女は王子を惑わし狂わせる 白の女王は涙する 「足りないモノに気付けませんか?」 黒の女王は嘲笑う 「足りないモノがありすぎませんか?」 王は独り塔の中幻想を紡ぎ狂う姫の願いは幻影の中 硝子の柩で夢を見る 叶う事の無い果てなき夢を 目の醒める事の無い夢物語 王子は迷い疲れて眠る そして夢の中 王子は姫に出逢うだろう 現実は止まる 狂った時計の針が壊れるまで 正しい時計の針が動き出すまで この幻想は醒める事無い――
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