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(こんな問題……テストに出るのかよ)
少年は自分に背を向け、黒板にチョークを走らせる女を見つめながら心の中で呟いた。
ここは超能力育成学校。
通称――スキルメイク。
超能力者を育成・訓練し、社会を支える者として教育する施設。
似たような学校がこの都市には数々存在するが、学費の高さ、設備、風紀、そして大きさ。
どれをとってもスキルメイクの右に出る学校は無い。
サイドの壁に広がる大きな窓から外を見渡せば、大小様々なビルや空を横切る線路、地面を走る低空飛行の車などが見える……もちろんハイブリッドだ。
ほとんどの建物の屋根に、これでもかと言うほど敷き詰められた太陽光パネルが、少年の視線を受け止める。
ここが科学の都市。
日本科学最高研究都市――
関西全域が研究施設に覆われた現在、一般の人間は皆この地域を『科学研究都市』――などと難しい言い方はせず、関西地方と呼んでいる。
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