~第壱話~

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『優しき鬼様』 むかしむかし、ある寒い寒い村に、とても貧しく、寂しい毎日を送る少女が居ました。  少女に両親はなく、近くの民家の残飯があれば、それを食べ。  夜になれば軒下に潜り、僅かでも寒さをしのぎながら、生きていました。  ある日、少女は倒れてしまいましたが、誰も助ける事はありません。  しかし、そんな少女に暖かい手を差し伸べる一人の男性が居ました―― ――男性を『鬼』と知りながら、供に過ごし、やがて美しく成長した少女。  少女は言いました。 『櫻迦様、私を妻に……』  しかし、鬼は首を横に振り、少女の首に刄を突き付け、村へと抱えて向います。 『娘が惜しければ、食糧を寄越せ』  少女は裏切られた気持ちで一杯になり、泣き崩れました。
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