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「いやちょっと待てよ!! いきなり部屋一つ空けろと言われてはいそうですか、って言えるか!? だいたい何であの旭(バカ)と同居することになるんだよっ? 俺はそんなのゴメンだね」
少し言い過ぎたか? 電話の向こうの母親は何も言わない。
だが残念ながら俺はそんなの気にしねぇしな。そのまま言葉を続ける。
「△◎高校合格したんだろ? 近いし制服可愛いから良かったって言ってたじゃねーか」
そう言っていると、いきなり電話の声が変わった。
『そう、そこが問題なんだよ。可愛くセーラー服!? 赤いスカーフ!? ヒラヒラなんて着れなi 「ま・さ・か、それだけでこっちに来るとか言うんじゃないだろうな?」
…………』
制服なんかで俺の生活壊されてたまるか。
『……ブレザーの方が格好いいじゃん。ネクタイしたかったし。鷹兄には関係ない』
「大ありだ。誰だ俺んとこ来るっつったのは」
『ラグビー部があるんだ』
「お前女子だろっつーかラグビー部ねぇだろ」
『マンションに住みたい』
「家は一軒家だ贅沢を言うな」
『実は△◎高校落ちた』
「合格だって親父からウザいくらいメールが来たんだけど」
『鷹兄の所に行かなきゃ私の病気は治らないって……ごほっ』
「やめとけ、東京の方が空気悪いぞ。それに大丈夫だ、馬鹿は病気にならないらしいからな」
風邪だったか?
『…………とにかく! 私の部屋をよろしく!! じゃっ、また明後日に!』
「あっ、切るんじゃねぇ! まだ俺は認めてな…い…………くそっ、切りやがった」
俺に拒否権はなしか。ったく、断れないんならもっと早く言えよ……。
こうして、急に住人が増えることとなってしまった。
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