1. 突然

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「いやちょっと待てよ!! いきなり部屋一つ空けろと言われてはいそうですか、って言えるか!? だいたい何であの旭(バカ)と同居することになるんだよっ? 俺はそんなのゴメンだね」 少し言い過ぎたか? 電話の向こうの母親は何も言わない。 だが残念ながら俺はそんなの気にしねぇしな。そのまま言葉を続ける。 「△◎高校合格したんだろ? 近いし制服可愛いから良かったって言ってたじゃねーか」 そう言っていると、いきなり電話の声が変わった。 『そう、そこが問題なんだよ。可愛くセーラー服!? 赤いスカーフ!? ヒラヒラなんて着れなi 「ま・さ・か、それだけでこっちに来るとか言うんじゃないだろうな?」 …………』 制服なんかで俺の生活壊されてたまるか。 『……ブレザーの方が格好いいじゃん。ネクタイしたかったし。鷹兄には関係ない』 「大ありだ。誰だ俺んとこ来るっつったのは」 『ラグビー部があるんだ』 「お前女子だろっつーかラグビー部ねぇだろ」 『マンションに住みたい』 「家は一軒家だ贅沢を言うな」 『実は△◎高校落ちた』 「合格だって親父からウザいくらいメールが来たんだけど」 『鷹兄の所に行かなきゃ私の病気は治らないって……ごほっ』 「やめとけ、東京の方が空気悪いぞ。それに大丈夫だ、馬鹿は病気にならないらしいからな」 風邪だったか? 『…………とにかく! 私の部屋をよろしく!! じゃっ、また明後日に!』 「あっ、切るんじゃねぇ! まだ俺は認めてな…い…………くそっ、切りやがった」 俺に拒否権はなしか。ったく、断れないんならもっと早く言えよ……。 こうして、急に住人が増えることとなってしまった。
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