1. 突然

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「鷹兄!」 「なんだよ」 機嫌が悪そうだった俺を見て、妹はこう言った。 「へぇ、鷹兄でも緊張してるんだ」 「なっ……お、俺が緊張するかよ! ボケ!」 噛んでしまった。かっこ悪ぃな、俺。こんなに動揺するなんて。 妹はニヤニヤしている。 「俺は今くだらないことに構ってる暇はねぇんだ。じゃあな」 「あっ待ってよ! 用はきちんとあるんだ」 それまで手に持っていた何かを俺に突き出してきた。 「……?」 「栞だよ! 私が作ったんだ。お守りにと思って。四葉は昨日探して、この季節だからなかなかなくってさ……」 何も言わない俺を見て、妹は気に入らなかったと勘違いしたらしい。 「……やっぱり下手だよね。こんなの持ってたら鷹兄失敗しちゃうかも………いいや、返してくr 「嫌だ」 ……鷹兄?」 俺が貰ったものを素直に返すと思っているのか? 「いい。俺はこれがいい。お前が作ったんだろ? 自信持てよ。それにこの俺様が失敗するわけないだろう?」 不敵な笑みを浮かべる。 その台詞を聞き、妹は笑顔になった。 「いつもの鷹兄だ! 自信満々で俺様でナルシな鷹兄だ!!」 「おいコラ喜んでんのか貶してるのかはっきりしろ」 そう言っても妹は「えへへ~」と笑うだけだった。
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