8人が本棚に入れています
本棚に追加
「鷹兄!」
「なんだよ」
機嫌が悪そうだった俺を見て、妹はこう言った。
「へぇ、鷹兄でも緊張してるんだ」
「なっ……お、俺が緊張するかよ! ボケ!」
噛んでしまった。かっこ悪ぃな、俺。こんなに動揺するなんて。
妹はニヤニヤしている。
「俺は今くだらないことに構ってる暇はねぇんだ。じゃあな」
「あっ待ってよ! 用はきちんとあるんだ」
それまで手に持っていた何かを俺に突き出してきた。
「……?」
「栞だよ! 私が作ったんだ。お守りにと思って。四葉は昨日探して、この季節だからなかなかなくってさ……」
何も言わない俺を見て、妹は気に入らなかったと勘違いしたらしい。
「……やっぱり下手だよね。こんなの持ってたら鷹兄失敗しちゃうかも………いいや、返してくr
「嫌だ」
……鷹兄?」
俺が貰ったものを素直に返すと思っているのか?
「いい。俺はこれがいい。お前が作ったんだろ? 自信持てよ。それにこの俺様が失敗するわけないだろう?」
不敵な笑みを浮かべる。
その台詞を聞き、妹は笑顔になった。
「いつもの鷹兄だ! 自信満々で俺様でナルシな鷹兄だ!!」
「おいコラ喜んでんのか貶してるのかはっきりしろ」
そう言っても妹は「えへへ~」と笑うだけだった。
最初のコメントを投稿しよう!