163人が本棚に入れています
本棚に追加
リリィは幼い頃に、売られていた。
お金持ちの家のメイドとして働いていたが、それは建前で、実際には奴隷の様な扱いを受けていた。
ろくに食事も与えられず、ザンザスが助けた時には、小さく痩せて、着ている服はぼろぼろだった…。
ザンザスの、過去が蘇って来た。
自分も9代目に拾われる迄の生活は荒んでいたな。
「リリィ、お風呂の用意が出来たわよ~。」
ルッスーリアが声を掛けた。
「はい…。」
バスタブに身体を沈める…。
リリィの身体には、無数の傷が付いていた。
「痛っ…。」
傷口にお湯が染みる。
痛みを堪えて、身体の汚れを落としてゆく…。
ルッスーリアが用意してくれた服に袖を通す。
「これ…?普通の服かなぁ?」
…どう見てもこれって下着じゃないかなぁ…?
とにかくその服を着て、リリィはザンザスの元に戻った。
「おにい…ちゃん。」
いつもの様にザンザスは、ソファに座って酒を飲んでいたが…。
リリィの姿を見て口に含んでいたブランデーを、勢いよく吹き出した。
「ぶっ…。何だ?その服はぁ~?」
「え…?でもこれが用意してあったから…。」
「おい!オカマ。テメェ何考えてやがる。」
「あらん、可愛いじゃな~い?」
「へぇ~。ルッスーリアにしてはいい趣味なんじゃね?」
ベルが口を挟んで来た。
「か…可憐です。」
レウ"ィはいつもの調子。
「ざけるな。此処には男しか居ねぇんだ。リリィのベッドは俺の寝室に用意しておけ。」
「んま~、ボスったらまさか…?」
「ふざけるな。俺の傍にリリィは置く。」
ウ"ァリアー基地内で、ザンザスの言葉は絶対的だった…。
最初のコメントを投稿しよう!