一話

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「リリィ、お前だけは、この俺が絶対に守り抜いてやる。」 リリィの肩口から覗いた傷を見たザンザスが、はっきりと言った。 その…傷だらけの身体を、そっと抱いて…。 「おにいちゃん?」 「あぁ…。酷い目に遭ったな。」 リリィの瞳から涙が零れ落ちた…。 幾度も死にかけた…。 鞭で打たれ…。食事もろくに与えられなかった…。 挙げ句には、貞操すら奪われて…。 まるで生きた玩具でしかなかった。 そんな地獄の日々に、終止符を打ってくれたのは…。 暗殺部隊ウ"ァリァーのボスで、リリィの兄と名乗ったザンザスだった。 「リリィ、今夜は疲れているだろう?俺の寝室にお前のベッドは用意した。ゆっくり休め。」 「あの…おにい…ちゃんは?」 「…ひとりじゃ恐いのか?」 「ん…うん…。」 「じゃあ一緒に「ぅ"お"お"ぃ"~!帰ったぞぉ~!クソボスの妹が見つかったんだと~?」」 ヒュー! ゴン!! ザンザスが手近にあった置物をスクアーロに投げ付けた。 「るせぇ!カス鮫。リリィが恐がるだろうが。」 「ってぇ"ぇ"~。何しやがる。」 「テメェの出番はねぇ。」 「このクソボスがぁ"ぁ"ぁ"~、ん?…お前がボスの妹なのかぁ~?」 びっくりしたリリィは、ザンザスの後ろに隠れている。 「はい…。」 「う"ぉ"ぉ"ぉ"い"。可愛いじゃねぇかぁ~?」 「黙れ。カス鮫!リリィ、寝るぞ。」 ザンザスは煩く騒ぐスクアーロを後目に、リリィを連れて寝室に向かった…。
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