二話

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リリィがヴァリアーの基地に来てから既に半年。 すっかりこの変態集団に慣れたリリィだったが。 「リリィ。」 悲痛な面持ちの、ザンザスに呼び止められた。 「??おにぃちゃ、ん?」 名前を呼ばれ、振り返ったリリィの、瞳に映ったものは・・・。 「俺は、これから日本に向かう。」 「え・・・。」 おにぃちゃんの、いない生活・・・。 「あら~ん、リリィ大丈夫よぉ~。あたしが残るから。」 ルッスーリアが、ひょっこり顔を出して言う。 ・・・余計不安が広がるけど、気のせいかな? 「日本でボンゴレが苦戦している。如何なる時も、ボンゴレは最強でなくてはならない。」 此処での暮らしの中で、リリィにも、その言葉の意味の重さは充分に理解していた。 そして・・・。 ザンザスがまたヴァリアー最強である事も。 「お前を連れて行きたいが、危険に晒す訳にはいかない。俺と一緒にいたら、必ずお前に危険が及ぶ。だから・・・。」 「判ってるよ、おにぃちゃん。」 ふんわりと微笑んで、リリィは答えた。 「あたしは、此処に残るよ。」 「そうか・・・。」 くしゃっと、リリィの頭に大きな手を置いて、それから踵を返して去っていった。 「寂しくなんか・・・ないよ・・・。」 「あら~、リリィったら、相変わらずブラコンなのねぇ。」 「ルッス姐・・・。」 リリィの頬に光るものは・・・涙・・・。 「へへ・・・、おにぃちゃんには、見せられないもんね・・・。」 ザンザスに言われた時から、ずっと我慢してたんだ。 「んも~、あんたって何て可愛いのかしら~。」 「むぎゅ・・・ルッス姐・・・く、くるし・・・。」 こんな所、ザンザスに見られたら、ルッスーリアの命はかっ消されてたのは必然。 「リリィ、お茶でも飲みましょ?ケーキもあるわよ。」 「うん、ありがと~。」 心配してくれてるんだ・・・。 おにぃちゃんがいない間、泣かない努力しよう。 「おにぃちゃん、気を付けてね。」 空を仰ぎながら、リリィは呟いた・・・-----
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