すべての始まり

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入学式の校長せんせいのありがたーいお話のまえに、きいてほしい話がある。 とつぜんだが 俺の両親は、俺が幼稚園生のとき離婚した。 というより、おれにとっては 父が突然きえていたという感覚に等しい。 未だに 母親は離婚について話そうともしないし、俺が きくこともしない。 だから 家族として 2人で暮らしてこれた、そんな気がした。 だが 最近、どーもきになる。顔もしらない父親の事が… きっかけは、母が父から送られてきた養育費と一緒にそえられていた手紙を読んで 泣いていたからだ… 母の涙は、たしか 祖母がなくなったとき 10 年ぐらいまえ 見たっきりだ。 父がいなくなっても、けして みせることのなかった涙。 なぜ、いま 母の涙は流れるのだろう… あの 母の涙がわすれられない。 父に会って、母を泣かすなと 叫びたかった。 その想いが 日に日にましていくことに 俺はきづいていた… あの手紙は 母が読んだ直後に燃やした。 父への手がかりは、完全にとざされたまま、わずかな光さえさしこむ様子はない… しかし、俺のために 道は開ける…きっと next
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