《第1章 人魚の足跡 -missing-【1】》

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《第1章 人魚の足跡 -missing-【1】》

 《heliodor》ベース・万楼。  バンド内最年少で経験は浅く、若干荒削りな面もあるが、骨太で力強く存在感のあるプレイが印象的な、将来性を感じさせるベーシストである。  天使のような繊細で甘いルックスの持ち主でもあり、比較的新規の女性ファンからは「マロ様」の愛称で呼ばれる。  一方で古参のファンからは、半ば「伝説」化している先代ベーシストとの比較をもって辛口に評価を受けることも少なくない。  本人はこれについて、以下のように発言している。 「それでいいよ。いつか人魚姫が会いに来たら、ボクはいつでも王子様を譲るつもりだから」
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