《第1章 人魚の足跡 -missing-【3】》

1/6
前へ
/406ページ
次へ

《第1章 人魚の足跡 -missing-【3】》

「でも、なんでカレーなの?」 「わたくしの一番得意な料理ですの」 「なるほどね」 「カレー、お嫌いですか?」 「……わからない」 「はい?」 「あんまり食べたことがないからわからない」  万楼は冗談を言っているようには見えなかった。 「お母様から作って頂いたり、学校の給食等でお食べにはなりませんでしたの?」 「うーん……食べたことないからな……どっちも」 「どっちも、ですか?」 「うん。ボクのママはご飯を作ってくれたこと、ないよ」
/406ページ

最初のコメントを投稿しよう!

198人が本棚に入れています
本棚に追加