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《第1章 人魚の足跡 -missing-【3】》
「でも、なんでカレーなの?」
「わたくしの一番得意な料理ですの」
「なるほどね」
「カレー、お嫌いですか?」
「……わからない」
「はい?」
「あんまり食べたことがないからわからない」
万楼は冗談を言っているようには見えなかった。
「お母様から作って頂いたり、学校の給食等でお食べにはなりませんでしたの?」
「うーん……食べたことないからな……どっちも」
「どっちも、ですか?」
「うん。ボクのママはご飯を作ってくれたこと、ないよ」
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