《第2章 悪夢が眠るまで -solitude-》【1】

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 玄鳥の答えを遮り、日向子は振動を始めた携帯をバッグから取りだし、サブディスプレイの表示を見るなり、慌てて出た。 「……有砂様! お身体は大丈夫ですか!?」  玄鳥と万楼ははっとしたように視線を日向子に向けた。 「……はい? 目黒駅の東口? 明後日の……14時、ですか……あのそれは……」  日向子は耳元から離した携帯を見つめて、 「切れてしまいました……」  と困ったように呟いた。 「お姉さん、有砂からだったの?」 「なんですか? 目黒がどうとかって……」  日向子は携帯を握ったまま小首をかしげた。 「……誘われてしまいました」 《つづく》
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