《第2章 悪夢が眠るまで -solitude-》【3】

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 雪乃はあくまで冷静な口調だったが、その瞳にはどこか優しげな色があった……ような気がした。  それも日向子の推測でしかないのかもしれないが。 「折角帰って来たばかりで申し訳ないのだけれど、わたくし出掛けたいので、車を出して頂けて?」 「このような夜更けにお出掛けですか? 私としては賛成致しかねますが」 「ええ、どうしても今夜のうちに会ってお話したい方がいらっしゃいますの」 「……左様ですか。それでは、特別に黙認致します。 ただし……くれぐれも、無茶はなさらないで下さい」 「ええ、ありがとう!」  日向子は久しぶりに心からの笑みを浮かべた。 「わたくし、絶対に諦めませんわ!!」 《つづく》
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