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《第2章 悪夢が眠るまで -solitude-》【5】
「……というわけだケド、一応この件は玄鳥には内緒ってコトで!」
「そうだよね。玄鳥には絶対聞かせられないね……」
蝉の言葉に万楼はしきりに首を上下し、紅朱はしばらく考えた後、しれっと呟いた。
「まあ確かに……綾は真面目だからキレるかもしれないよな」
蝉と万楼は同時に紅朱をちらっと見て、顔を見合わせ、ひそひそ声で話し出した。
「マジだよ、この人……まだ玄鳥の気持ち気付いてない」
「あれで気付かないのリーダーとお姉さんくらいだよねぇ?」
「兄としてどーなんだろ、それ……」
「リーダーらしいと言えばリーダーらしいけど」
「なんだよ、何こそこそ喋ってんだよ。感じわりィぞ。俺も蚊帳の外か?」
少々苛立った様子の紅朱を振り返り、二人は綺麗にハモって言った。
「ないしょ」
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