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「………」
「………」
―――ザワ…ザワ…
寂しさや虚しさが募る。
それでも僕は不思議とこの空気が嫌ではなかった。
何か言わなきゃ…
そう、強く思っても何一つして言葉は浮かんでこない。
「…名前、」
「ぇ…?」
「お兄さん…名前…」
途切れ途切れの単語での会話。
それでも少女から話しかけてくれたことが嬉しかった。
「彰(アキラ)…
早川 彰(ハヤカワ アキラ)だよ」
自然と笑みが零れた。
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