45人が本棚に入れています
本棚に追加
「………
お前…その腕はなんだ?」
神田の質問に対し、少年はジッと神田を見て警戒するかのような雰囲気をしていたが……
それも長くは続かず、口を開き質問に答える。
「対アクマ武器ですよ。
僕はエクソシストです。」
「何?」
これで、ほぼ結論が出た。
この少年はAKUMAなんかではない。
普通…とも言い難いが、少年だ。
何より、神田のイノセンスをあの腕で…腕への被害が格段に少ないとともに、受け止められたというのが何よりの証拠。
普通、AKUMAであれば受け止めは出来るが……
それなりの被害は受ける筈だ。
ましてや、相手はあの神田ユウ。
彼は…手加減なんて知らない男だと聞いたことがある。
それと。
小さいが微かに見える、丸く特徴的なゴーレム。
あれは、クロス・マリアンのティムキャンピーだった筈だ。
全ては解決した。
ふと、再び下を見ると神田が少年に攻撃を仕掛けようとしている。
その証拠に彼の刀が、イノセンスを発動したのか光っている。
私は瞬間的に状況を判断すると、門番から飛び下り少年の目の前に下り立った。
「あ、新手…!!?」
「邪魔だ、退け!!!」
『神田。
頭を冷やして下さい。
彼は間違いなくエクソシストです。』
私が淡々とそう告げると、自分のクローバーの形をしたゴーレムを使いコムイへと繋いだ。
神田が何か言いたげだったが、そこは無視する。
今は彼に構ってる暇はない。
ゴーレムが繋がると、直ぐさまコムイの声が響いた。
「瑠奈ちゃん、どうかしたかい?」
『コムイ。
彼はクロス・マリアン元帥の関係者だと思われます。』
私がそう、コムイに告げながら少年を見る。
すると少年の目は、やっと理解してくれそうな人が見つかって嬉しいのか…目をキラキラと輝かせながら、はきはきとした声で言った。
「はい!!
僕は師匠の弟子です!!
クロス師匠からコムイって人宛てに紹介状が送られているはずです!!」
その言葉にゴーレムからは、大量の紙の音が響いてきたのは言うまでもなかった。
†第2夜へ続く†
最初のコメントを投稿しよう!