45人が本棚に入れています
本棚に追加
第一夜
-黒の教団本部-
『……以上で、この任務の報告を終了致します。』
室長室に感情の篭っていない、機械的な声が響く。
無表情で、じっ…と椅子に腰掛けている室長を見るのは…
クラウド部隊所属の華野宮 瑠奈。
彼女は今、二ヶ月という長期任務を終えて、室長への報告を終える。
「……ん。
ご苦労様だったね、ありがとう。
瑠奈ちゃんは自室でゆっくり休んでいいよ。」
『はい。
分かりました。
では、失礼致します。』
瑠奈は頭を礼儀正しく下げ、コッコッ…と足音を立てながら歩き室長室から出ていく。
室長室に残ったのはコムイだけであった。
彼ははぁ……と、溜息をつくなり机の上へ俯せる。
「どうして、あんなに機械的なんだろ…瑠奈ちゃん……」
先程はニコニコしながらも、瑠奈の報告を聞いていたが…
彼も、瑠奈のあの機械的な行動…それに無表情にはどうにか出来ないかと悩んでいる。
「せめて…微かに微笑めば、皆とも仲良く出来ると思うのになぁ……」
コムイはがたっ…と椅子から立ち上がると、溜息をつきながら自分のコーヒーを自分の愛用のコップへと煎れに行くのであった。
最初のコメントを投稿しよう!