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依頼人 間々下健一 (38才)
この日、黒猫探偵事務所は大忙しであった。と言うよりは久しぶりの依頼で張り切っていたと言うべきか・・・。
まあ探偵の本来の仕事は人捜しや浮気調査が主流なのである。
まずは写真から読み取れる情報をあらい出す。依頼人の話だと彼女の名前は石橋智子。写真は彼女からもらった物で少し古い物だと言う。情報がそれしか無いのでまずは情報集め。
黒田と竜胆が写真を見ながらやさがしをしている。
竜胆
「しかし、あれですな・・・情報がこの写真と名前だけではねえ・・・捜しようが無いんじゃないですか?」
黒田
「だから今情報集めに躍起になっとるだろうに・・・。修さんも昔かたぎだから」
竜胆
「でも・・・この写真から分かる事が2つありますね・・・。1つはこの写真の日付、二年前の1月になってますね。そして…」
竜胆(りんどう)が次の言葉を言おうとした瞬間、黒田がその言葉を遮るように言った。
黒田
「…もう1つはこの制服だ」
竜胆
「そうです!後は背景なんですがどこか分かれば尚更・・・」
黒田
「達屋君!パソコンで画像処理してくれないか?後この制服がどこのだか調べてくれ」
達屋
「それはいいですけど・・・」
達屋がパソコン画像から視線をずらし言う。
黒田がふとジェラルミンケースの方で音がするので見てみるとジジがジェラルミンケースを爪でガリガリと引っ掻いていた。それを見た黒田は席を立ちジジを抱きかかえた。
黒田
「駄目じゃないかジジ!お客様の物傷つけちゃ」
達屋
「…もしかしたらコスプレかも知れませんよ」
黒田
「それはないな・・・。この子の容姿から見てまだ大人になりきってない。しかも、襟元には学校の校章が付いている」
達屋が黒田からその写真を受け取りながら応える。
達屋
「分かりました。やって見ます」
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