終章

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少し歯切れの悪い言い方をして、宮原は苦く笑った。 天野若子が安曇家の養女になったという時点で、だいたいの予想はできていたし、狭霧から高城伝いに聞いた話も、宮原の予想の範囲内だった。 いずれ、安曇若子は宮野の家に嫁ぐだろう。 宮野も安曇も、魔と戦うための闇の家系だ。出雲大社の代々の宮司を守るために、闇と戦うことを宿命づけられた一族。 その最も有力な家系が宮野であり、安曇や三神はそれよりも下位の、宮野を支える家である。 だが、釣り合わないわけではない。 つまりは政略結婚という形で、若子は宮野に嫁入りする。 もちろん狭霧が策略を巡らしたのではなく、上の決定だ。
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