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あの時の母の言葉とこびりついた血が、夕斗の心に染み付いて落ちない。
弱いままではいられないと、思った。
強くなりたい。
あの化け物を倒せるくらいに、強く。
そう思っていた矢先だ、急に夕斗の父親の転勤が決まったのは。
そして引越してきたこの地で、編入した学園で、宮原に出会った。
『今日から君の担任の宮原です。よろしくね』
最初は優しい先生だと思ったが、どうやらそれが間違いであることを夕斗は知った。
『ところで、放課後になったら屋上に来てくれるかしら?』
『え? いいですけど…』
放課後。
夕斗は階段を登って屋上に向かう。
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