3266人が本棚に入れています
本棚に追加
/2509ページ
倒されているというより潰されている上に、餌と勘違いされているのか、夕斗は顔を舐められていた。
重いしくすぐったいし、迷惑なことこの上ない。
『認めるなら犬をどかすぞ? それとも餌になりたいか?』
宮原が凄んで問うと、夕斗を舐めていた黒い犬が、いきなりその首に尖(とが)った牙を押し当てる。
何故だ、冗談に聞こえない。
『みっ、認めます認めます!』
『よし。止(や)め』
宮原が指示した瞬間、夕斗の上から犬がどいた。
身体にのしかかっていた圧迫感がやっと消えて、夕斗は息を整える。
――今の犬はなんだったんだ? それよりも……
『なんだ、霊感あるんじゃないか』
最初のコメントを投稿しよう!