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けれどそんなことなどお構いなしに、剣悟は夕斗と並んで歩きながら話し始めた。
「今日うちの学年に転校生がくるらしいぜ? 新入りなんて夕斗以来だよな~」
「へえ…」
初耳の情報だったが、さほど興味もない話だ。
「そうだな」
適当に返して小さくあくびをする夕斗に構わず、剣悟は話を続ける。
「男子か女子かはまだわかんねぇけど、男子だったら剣道部に誘いてぇな~。女子だったら…まあ剣道部は女子も大歓迎だし、中等部の女の先輩に引き渡して……」
――始まったよ。
夕斗は、隣で勝手にしゃべりだした剣悟に内心でため息をついた。
剣悟は、大の剣道オタクなのだ。
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