3265人が本棚に入れています
本棚に追加
夕斗はナイフを畳んでポケットに押し込んだ。
そして気を失っているひとりの女子に肩を貸し、もうひとりを剣悟に頼む。
そして比古に車に乗るよう促した。
トンネルの霊たちから逃げるなら、今しかない。
後部座席に美玲と渚を担ぎ込み、剣悟と比古が転がり込む。
それと同時に夕斗は助手席に着いた。
宮原は自称魔術師兼5年3組の担任だ。
髪を下ろした優しい宮原しか見たことのない剣悟と比古は、彼女に拾ってもらえたことに安堵の息を漏らした。
しかし、夕斗だけは冷や汗を浮かべている。
何故なら、今の宮原の髪型は優しい時のそれではないからだ。
――ってことは……。
夕斗がごくりと唾を飲み込んだ瞬間。
最初のコメントを投稿しよう!